Piroブログ 今週の大機小機 2021/11/13

日本経済新聞のマーケット総合面にある匿名記者による「大機小機」は毎回楽しませてくれる。定期的に訪れる政府批判や印象操作は笑わせてくれるので「大機小機」は楽しみになっている。

今週のナンバーワン「大機小機」はこちら。

痛み伴う改革の議論避けるな:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77415940Z01C21A1EN8000/

記事を分析してみる。

引用
アベノミクスが始まった2013年年初の実質国内総生産(GDP)は、今とほとんど変わらない。

分析
2013年と比較したらコロナである。
この寄稿はアベノミクスとしているから、第二次安倍政権と前民主党政権を比較するべきなのでグラフを引用する(内閣府 四半期別GDP速報を基にGD Freak!が作成)。民主党政権(2009年-2012年)から実質GDPが名目GDPを上回っている。これはデフレの影響によるもので当時の民主党政権がデフレを容認したことによるものだ。アベノミクスで再び名目GDPが上回ってきたのでインフレになったことを証明している。

引用
雇用者数は約450万人も増えた。定年延長をしたおかげで高齢者の就業が増えた

分析
高齢者の雇用が増えたのは事実だ。450万人全てが定年延長をしたおかげで高齢者の就業が増えたと思える書き方は悪意を感じる。実際は65歳以上と64歳未満の雇用は半々くらいだ。
民主党政権時の2010年~2012年にかけて5500万人前後で推移していた雇用者数は2019年半ばには6000万人に到達した。7年半で500万の雇用を創出した。2002年から2008年のいわゆる「いざなみ景気」での雇用総数の増加が150万人だったので比べ物にならない。非正規雇用が増えたのだろうと言われるが、確かに非正規雇用は増えたが正規雇用も増えており正規雇用の数が最も少なくなった2014年はじめから2019年末にかけて正規雇用者数は250万人増加している。「いざなみ景気」より雇用が増えたのだ。

参考
アベノミクスで「雇用と賃金」は結局どうなったのか、数字で徹底検証する
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75451

引用
成長が一定で雇用者数が増えたなら、1人当たりの賃金が伸び悩むのは当然であろう。

分析
実質賃金の話をしているのだろうか。アベノミクスによって実質賃金が下がったと言いたいのだろう。実質賃金の算出方法の勘違いから生じている。

パターン①
aさん 30万
bさん 30万
cさん 無職

実質賃金は無職の人は含まないので実質賃金は30万になる。(30+30)/2=30

パターン②
aさん 31万
bさん 31万
cさん 10万 働き始めた
cさんは働き始めたばかりなので給料は安い。
aさん、bさんは賃金が上がった。

実質賃金は働いた人を含むので実質賃金は24万になる。(31+31+10)/3=24

上記のとおり働き始めから給料は高くないので雇用が増えると実質賃金は下がる。パターン①は働くところがないデフレだった民主党政権時。デフレが続けば景気は後退する。景気が後退すると失業者が増える。失業者が増えると上記の計算式により実質賃金は上がる。パターン②はアベノミクスで雇用が増えたので実質賃金は減る。経済にとっては雇用が増えた方がいいのでパターン①とパターン②のどちらがいいかは明白である。

寄稿の目的は痛みに伴う改革の議論を避けるなと言いたいらしいが、内容はアベノミクス批判だった。書いてある内容は総選挙前に立憲民主党アベノミクスを検証した内容に類似している?(笑)

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