Piroブログ 先週の雇用統計を振り返る 2023/07/10

2023年7月10日、先週を振り返ります。

先週の木曜日にFOMC議事録にADP雇用者数、金曜日に米国雇用統計が発表された。ここでの共通点は『利上げ』だ。

ADP雇用者数は民間による調査で予想値の倍近くの結果を叩き出した。この調査は翌日の米国雇用統計の前座(先行指標)として見られている。雇用が強い印象は翌日の雇用統計にも現れていた。数字だけ見ていると落ち着いているようだが平均時給は高いまま、失業率は落ち着いたままで相変わらず賃金によるインフレは収まりそうもない。

失業率が改善されると物価は上昇する(フィリップス曲線)。インフレを加速させない失業率がNAIRUと呼ばれるが、米国のNAIRUは4.0%である。現在の米国は3.6%なのだからインフレが止まらない説明ができる。

議事録からも利上げをすることを示唆しているが次回では利上げをするだろう。利上げがほぼ確定なのにドルが買われない。これは謎。考えられることとして、これ以上の利上げはリセッションを招くという市場観測。結果として日本に流れる可能性は高い。既に流れているのかもしれないけど。 了