Piroブログ 金利差だけで見る銀行系株価 2023/11/14

 昨日(2023/11/13)はみずほFGの中間決算。好調な業績。メガバンクの強みで米国長期金利高とドル高による利ざや獲得も大きい。地銀に比べメガバンクは海外収入も大きい。今日はみずほFGの話ではなく、銀行系の株価について考えてみたい。私が銀行系を推す理由は単純で金利が上がれば銀行は儲かるので儲かれば株価も上がることから推している。指標としてみずほFGの株価推移を使用。

 日米の金利差(米長期-日長期)が開くとドルが買われ円が売られる。過去2004年から2006年にかけて金利差が開いた際は円安に傾いた。景気も順調で株価も上がり始める。しかし、2008年のリーマンショックにより日本経済にも打撃を受けた。日米の中央銀行による金融政策には開きがあり米国の金融緩和に比べると日本の金融緩和は弱かった。結果、ドルが売られ円が買われ歴史的な円高不況となり株価も大きく下げ日本経済はどん底に突き落とされた。この頃から銀行系は低迷した。

 アベノミクスによる金融緩和で日本経済は回復に向かう。同時期(2012年)の米国も金融緩和を行っており金利差は縮んでいるが2013年にFRBは金融引き締めの段階に入り日米金融政策の違いから金利差が開き始め円安にシフトする。金利が上がらないので銀行系は厳しい時期。みずほFGの株価推移が物語っている。

 コロナ期(2020年)に入ると日米の金融緩和により金利差が縮まるも量的緩和補助金もあり企業は支えられ株価は落とさず推移。また、コストプッシュもありインフレ方向にシフトした。米国はいち早く金融引き締めに入ったので米国の金利は高くなり、金融緩和中の日本と金融政策の違いから金利差は開き円安が進んだ。

 日本銀行は「持続的安定した物価上昇」を確認できるまでは金融緩和を続けるとするもYCCを形骸化するなど長期金利が上昇。また、政策金利への修正観測などから銀行には追い風になり期待度と重なり株価は上昇した。今はYCCの形骸化と観測による期待で銀行系は上向きはじめたのであって、日銀が「持続的安定した物価上昇」を確認した時に解かれる政策金利の修正、要するに金融引き締めの段階の入口をゴールとして銀行系の株価は上がり続けると思われる。

 ただし、日銀による金融政策のタイミングを間違えたら。。。銀行系の株価も下がる。投資は自己責任で。了