Piroブログ 『これからの戦争はハイブリッド戦争だ』 2021/12/18

『これからの戦争はハイブリッド戦争だ』

■まえがき
大東亜戦争開戦から80年。戦争のやり方は大きく変わった。その1つに「ハイブリッド戦争」という方法だ。武力による戦争は今も変わらないが現代においては素人が扱える兵器などなく私達が戦争に行けと言われても足手まといになり有事が起きた場合は防衛の観点から自衛隊が動き自衛隊に託すことしかできない。しかし、私達にもできることがある。それは「気づき」だ。おかしいと思ったら、それは「ハイブリッド戦争」を仕掛けられているかもしれない。そのハイブリッド戦争についてまとめた。

■ハイブリッド戦争とは
正規戦、非正規戦、サイバー戦、情報戦などを組み合わせる軍事戦略。いかに低コストで最大限のダメージを敵国に与えるか。執拗なサイバー攻撃SNSを利用したプロパガンダなども、その1つ。

■ハイブリッド戦争の実例
ロシアによるクリミア併合はハイブリッド戦争だと言われている。
旧ソ連時代から、ロシアは色々な所に政治技術者、つまり情報工作などで政治的に都合の良い状況を作り出すような人間を送り込んできた。そういった人たちが一般人に紛れ込み、その地の人たちを洗脳して政治的にロシア寄りになるように影響を及ぼしていく。クリミア半島ロシア連邦の領土に加える時も、先ずはそういったところから下準備が始まっていた。2013~2014年にウクライナで起こったユーロマイダン革命で当時のウクライナ大統領だったヤヌコーヴィチ氏が失脚しロシアに亡命すると、ロシアは混乱するクリミアに特殊部隊やコサック(軍事的共同体)を送り込み、クリミアの親露派達を利用しつつ、もともと国際法的にはウクライナの一部であったクリミアをロシアに編入するために都合の良い状況を生み出した。クリミア併合は、表向きは住民投票による住民の総意の結果だという事になっているが、実際には、ロシアへの編入に反対していたクリミアタタール人が投票出来なかったり、ロシア編入に賛成しなければ命の保証がないというような恐怖の中での投票が強いられたり、およそ公平とは言えない選挙だった。(慶應義塾大学総合政策学部教授廣瀬陽子氏 参考金融ファクシミリ新聞 https://t.co/ennmTEx5zN )

■ワクチン豪州デマ
日本国内のTwitterでは豪州に関するコロナワクチンデマが拡散されている。例えば「豪州では未接種者の収容施設が用意されている」「マスクしていないと逮捕される」「ワクチン未接種者がせき、くしゃみをしたら罰金」などあるが、これは全て嘘だ。(AP通信 https://t.co/XHMQyTtJlr )また、豪州在住の日本人がデマだと言うのだから間違いないだろう。そもそも、そんなことしたら人権問題になり敵対しているチャイナのことを何も言えなくなる。ではなぜ日本国内では豪州のデマをTwitterで「豪州は酷い」と拡散されているのだろうか。

■繋がる共通点
Twitterで豪州のデマを拡散しているアカウントには米国大統領選で陰謀論を拡散していた右に強い思想の持ち主だったり、左翼、ワクチン陰謀論者、RCEP陰謀論者ななどであった。これらの豪州のデマツイートに共通するのは一次ソースではない情報がリンクされていることが多い。その情報は本当ですか?大統領選では米国のことなのに日本国内の保守層は意見が分かれ陰謀論に翻弄した。ワクチンに関するデマが広がるも厚労省などの正しい情報提供により接種率が高くなりデマは普及しなかった。ワクチン陰謀論は大統領選で陰謀論にはまった人達が多く、その流れで豪州デマに流れている傾向がある。

■日豪分断?
この動きを喜ぶのは誰か?それはチャイナだ。日豪は米印と「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」、「クアッド」と手を組んでいる。チャイナにとって日米豪印のチャイナ包囲網は脅威であり関係を崩したい。しかし、武力行使すると西側全てを敵にまわすことになるため難しい。そこで、考えられるのはハイブリッド戦争だ。日本には他国の数え切れないスパイ、工作員が活動していると言われておりTwitterなどのSNSにも参加し工作活動をしていると言われている。これが本当ならば米国大統領選陰謀論から始まる数々の行為は日本国内を分断させ、豪州デマに関しては日豪の関係を分断させる作戦として有効である。

■豪中関係
豪中関係が悪化してからはチャイナからの嫌がらせも続いている。日本国内においては「豪州はこんなに酷い国なんだ。」と、思わせるツイートが目立ち偏った思想の持ち主や反ワクチンの方々は豪州を悪者扱いにしている。豪州デマには「(故意)にセキ、くしゃみをした場合、罰する」との報道に対して(故意)という言葉を消し、あたかもセキ、くしゃみをしただけで罰せられるという内容で豪州は酷いと拡散。そのツイートを真に受けたアカウントが連鎖している。また、関係ない動画や画像を引用し政府に対するコロナワクチンデモとして拡散されており、これも真に受けている人が多い。大統領選、RCEPデマでもそうだが一次ソースの確認もなく「誰かのブログ」「誰かのツイート」の二次、三次ソースの引用が多く、誰かしらのデマから拡散されていることが特徴だ。

■黒幕は誰だ?
仮にチャイナが黒幕だとした場合、しっくりくる。日本人から見た豪州は悪い国をと仕立てられれば「FOIP」「クアッド」を分断できるかもしれない。分断できたら喜ぶのは国は限られてくる。チャイナだ。反ワクチンの人や思想の偏りが強い人を利用した工作である。これこそ、ロシアのクリミア併合に似たロジックであり、まさにハイブリッド戦争である。

■あとがき
チャイナは台湾に侵攻する可能性がある。ただ、武力行使での侵攻も考えられるが、まずはサイバー攻撃や人を利用し台湾内に親中派を増やす方法が考えられる。クリミア半島の前例は参考になっていると思われる。もう既に台湾に対してハイブリッド戦争は行われていると思った方がいい。上念司著者「日本分断計画」に書かれているが「100%、常に正しいことを言う人は存在しない」と言うことだ。右に偏りすぎると朝日新聞は全て悪と言い。左に偏りすぎると産経新聞は全て悪とみなす傾向がある。どちらの新聞も正しい情報が報道されることがあれば間違えた情報も報道することもある。この見極めをできるようになることが大切で、普段からの気づきレベルを向上させなければならない。◯◯の情報だから正しいではなく、おかしいと思ったら自ら一次ソースを見てくることが必要だ。ハイブリッド戦争に巻き込まれないようにするためには気づきレベルを向上させることだ。既にハイブリッド戦争に巻き込まれているかもしれないのだから。

■参考
ファクシミリ新聞
慶應義塾大学総合政策学部教授 廣瀬陽子氏
日本分断計画 上念司氏
https://t.co/u06n0qHgbh
シドニーの空氏