Piroブログ 白川氏のコメント見て思ったこと書いた 2022/01/17

『日本国内のデフレマインドは新聞のせい』

2022年も絶好調な日本経済新聞(以下日経)。日経の経済記事は読めば読むほど◯◯になると言われている。日経に限らずだが新聞は記者のイデオロギー、私感を混ぜた内容はやめてほしい。事実だけを伝えてほしい。

新聞に私感、イデオロギーが入ると真に受ける読者が増え、時には安全保障も揺るがす可能性がある。

日経の記事は白川前日銀総裁がインタビューに答え、現状の金融政策にダメ出しをしているのだ。白川さんは日銀総裁時に何もしていなかったのに、どの口が言っているのだろうか。

せっかくなのでバブル崩壊後の日本を検証してみた。

■金融引き締め論調、なぜか白川氏
白川氏は金融政策を何もしなかった前日銀総裁。白川氏が日銀総裁だった2008年から2013年。失業率と自殺者を年代別にまとめてみた。

1997年 3.4% 24,391人
1998年 4.1% 32,863人 デフレ突入
2003年 5.3% 34,277人
2007年 3.9% 33,093人

2008年 4%  32,249人
2009年 5.1% 32,845人 悪夢の民主党政権
2010年 5.1% 31,619人
2011年 4.5% 31,541人
2012年 4.5% 27,858人 悪夢終了
2013年 4%  27,195人 デフレ終了

2019年 2.9% 20,840人
2020年 2.8% 20,916人 コロナ突入
2021年 2.8% 

日銀の目的に物価と雇用の安定がある。日銀が取り組む金融政策は我々国民の生活にも関わってくる。金融政策がうまくいけば物価と雇用が安定する。結果、需要と供給のバランスが保たれ好景気が訪れる。

白川氏は日銀の目的を忘れたのか知らないのか何もしなかった白川氏はリーマンショック後の景気低迷対応やデフレに対して何も対策をしなかった。

デフレに突入した1998年は自殺者が大幅に増えた。デフレとは2年連続で物価上昇がマイナスになったことを言うので厳密には2000〜2001年頃からがデフレである。

そんな白川氏は2022年1月5日の日経でこう述べている。
【金融緩和が企業や家計の支出を誘発するものの「緩和が長期化すると前倒しするだけの需要が減り、投資の内容も生産性の高いものから低いものが多くならざるを得ない。債務の増加も避けられない」と政策効果の低下に懸念を示した。量的緩和によって日銀の総資産は12年末の158兆円から717兆円へと膨らんだが、消費者物価指数(CPI)上昇率は目標の2%に達していない。白川氏は「日銀のバランスシートは著しく拡大したが、物価上昇率は上がらなかった。低成長の原因は物価や金融政策ではなく、本当の課題は潜在成長率(の低下)にある」と強調した。
 同氏は総裁在任中、緩和規模が小さいなどと批判を受けたが「予想されるリスクや副作用を考えると、マネージできると考える域を超えて大規模に(金融緩和を)行うのは職業人として取りえない選択だった」などとも述べた。】

金融緩和が長引くと生産性が乏しくなり債務増加と言っているが白川氏が総裁だった頃、量的緩和政策をしていないのだから支出の誘発をしても消費換気には繋がらないので効果はない。需要と供給のバランスで供給しか強くしていない。需要を高めるために量的緩和は安倍政権で黒田氏が日銀総裁になってから行われた。消費物価上昇率目標2%に辿り着く手前で2度の消費増税があったことに触れない白川氏と日経。日経は軽減税率対象だということも忘れてはいけない。消費増税は景気後退させるので増税のタイミングを見極めなければならない。民主党野田政権時に決めた消費増税は決まり事だったのでやむを得ない増税ではあったが。白川氏は結果を出せていないのに何を言っているのだろうか。そして、日経は金融引き締めをさせたいのだろうか。消費物価上昇率目標を達成していないのに。

参考
「長期緩和、効果は低下した」 白川前日銀総裁日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB23B6E0T21C21A2000000/


◆デフレの原因
バブル崩壊後の90年代は経済対策のため公的資金注入時期でバブル崩壊後の1997年は失業率が3.4%で自殺者は24,391人まで回復していたが1997年の消費増税は悪夢のデフレ突入のきっかけになった。また、95年あたりからバブルからの不良債権により日本国内の金融機関が破綻し海外から日本の金融機関は信用がなくなり日本国内の銀行は海外から資金調達に対して上乗せ金利ジャパンプレミアム)が発生したことで、日本国内の銀行は金を貸せなくなった。企業は設備投資ができず、家計は不安に陥ったことで景気後退し支出が減った。結果、企業は業績悪化となった。さらに消費増税個人消費を鈍化させ97年の実質個人消費は初めて前年割れした。これらにより需要と供給のバランスが崩れる。景気回復しかけていたところにデフレ突入で景気後退し需要がなくなり供給過多になり雇用が溢れたので雇用が減らされた。結果、経済苦により自殺者が増えた。85年プラザ合意(為替に政治介入やめます合意)による円高も影響している。これらの負のスパイラルがデフレを導いた。景気後退局面で消費増税をしたことは大愚策だ。

◆ITブームとグローバル経済
2000年代に入るとITブームによる経済押し上げとグローバル経済による外需獲得で景気回復の兆しが見え始めた。ITブームのバブルは短命であったがグローバル経済による景気回復は続いた。それでも2007年には失業率が3.9%まで回復したが2008年にリーマンブラザーズが破綻し一変、一気に景気悪化した。

◆悪夢の民主党政権、悪夢の白川日銀総裁爆誕
2008年日銀総裁に白川氏が起用され、2009年に民主党政権が誕生した。高橋洋一氏によると民主党政権は官僚に丸め込まれた官僚の言いなりだったそうだが酷い政権だった。円高を良しとする政策は大愚策である。民主党政権時の円ドルは下記の通り。リーマンショックにより家計での消費が落ち込んだ。需要が落ち込み慎重になった企業は設備投資などを控えた。本来であれば日銀白川総裁は金融政策を行わなければならないのに何もしなかったので需要と供給が激減した。

2009年 93.57円
2010年 87.78円
2011年 79.81円
2012年 79.79円
年間平均レート

円高になった理由はこれまでの金融政策により金利が下がり外国人投資家が金利が安い日本でお金を借りドルに変えサブプライムローンなどの利率の良い商品を購入した(円キャリートレード)。ところがリーマンショックにより金融商品が大量に売却されドルが一気に円に変えられ円高になった。

民主党政権は何も対策をせず、日銀も何もしなかった結果、失業率は高いまま自殺者が増えた。当時の政権と日銀は日本経済を奈落の底まで落とし人の命も守らない最低な政権だった。

円高は不景気にさせることを理解できない民主党政権と日銀。円高を良しとする政策は株価も前代未聞の事態に陥った。そこに拍車をかけるように東日本大震災が発生した。

経済の基本は需要と供給のバランスである。景気が悪くなると一般家庭は消費を控え需要がなくなる。消費を控えると生産(供給)できなくなり雇用が失われる。内需が冷え込み、さらに円高になれば外需まで冷え込む。この悪循環が民主党政権と白川氏だった。需要を増やせば供給が増え雇用が増える。こんな簡単なことなのに実施してこなかった民主党。これを実施したのが安倍政権と現日銀総裁の黒田氏だ。

アベノミクス
アベノミクスは簡単だ。需要と供給を生み出した。そのためにマネタリーベースも増やした。強い金融緩和も行った。消費増税というハードルもあったが雇用は作られた。2019年の失業率は2.9%で自殺者も20,000人まで減った。自殺者の推移を見てもらうとわかるが失業率と自殺者数は相関性がある。株価、為替も回復しアベノミクスによる景気回復が効果を出始めたところにコロナだった。

■さいごに
大胆な金融政策は雇用を創出する。大胆な金融政策はほどよいインフレをさせ景気回復させる。90年代から2000年代の政策とアベノミクスを比較すると一目瞭然。このコロナ禍で必要なことは何か?プライマリーバランスの黒字化なのか?財政健全化ではないと思うが。